SwagUp + Trello

__確固たるサポート体制なくして、新しいビジネス アイデアは成功しません。__舞台裏で機能するシステムやワークフローの存在は、ビジネスが順調に軌道に乗り出す能力、特にスタートアップ企業の場合はイノベーションの機会に対する適応能力を大いに向上させます。

Michael Martocci 氏はプロモーション商品 (別名 Swag) 業界に起業家的な視点を向けて SwagUp という会社を立ち上げ (もちろん、ニュージャージー州にある母親のガレージから)、スタートアップ企業向けのプロモーション商品のプロバイダーを構築するつもりでした。しかし、一起業家として常に革新的なアイデアを求めてイノベーションを起こす機会を伺っていたところ、Trello がこれを可能にしたのです。

ニッチを発見した SwagUp

プロモーション商品ではブランドのマグカップや水筒などの定番アイテムからは想像もつかないもの、たとえば巨大なジェンガやホバーボード (そうです、ホバーボードです) が扱われるようになった一方で、業界の慣行やベンダーの選択肢は長年変わらないままでした。「20 ～ 30 社の企業が収益の半分を占めて、残りの半分は約 3 万社に分かれています」と Michael 氏は言います。

控えめに言っても、この断片化は顧客にとって理想的な体験を生むものではありません。一部の常連客は、必要な商品を発注するにあたって複数のベンダーとのやり取りを強いられます。注文プロセスは時間がかかって非常に複雑になり、まとまりがなくなります。販売代理店に注文プロセスを委託する顧客もいますが、楽な反面、コストはかかります。

とある企業が新入社員に配るスワッグ パック、つまりプロモーション商品の詰め合わせの発注を Michael 氏に打診してきたとき、彼は従来のシステムに欠陥があることに気づきました。「プロモーション商品の詰め合わせを作る作業は、本当に手間暇のかかるものです。しかし、このようなサービスを求める顧客がいたということは、他にもそのニーズがあるのではと考えました」と Michael 氏は言います。

この気づきによって Michael 氏は自身のビジネス アプローチを再考し、最終的には方針転換しました。それまでの煩雑なビジネス モデルの例にならうのではなく、SwagUp では顧客のエクスペリエンスの合理化を図るべく、デザイン サービスやキットの組み立てに加えて、簡単な注文方法やスムーズな e コマース エクスペリエンスも提供しました。また、在庫管理やフルフィルメント、配送業務も担うことにしました。つまり、SwagUp はこれまで顧客にかかっていた物流負担を軽減して、シームレスな価値を倍増させようとしました。

この野心的な方向転換を実行するために、Michael 氏はシステムを早急に開発する必要がありました。革新的なアイデアを実現するために、必要な物流とビジネスの各ワークフローを管理できるシステムをです。

エンドツーエンドのビジネス ワークフローを構築する

Trello ボードは、開いた瞬間にその仕組みがわかります。直感的に使いこなせます。

「私はこの会社を Wix、Typeform、Trello で立ち上げたと人々に伝えています。これら 3 つのツールはすぐに使えて簡単にアクセスでき、一定の機能が無料で使えます」と Michael 氏は言います。

Michael 氏が最初に開発したワークフローは、注文の送信から商品の発送までの、顧客のライフサイクル全体を管理する販売パイプライン システムでした。そして、その視覚的なレイアウトとプロセス主導型のデザインに惹かれて、Trello を選びました。また、Trello を使えば従業員を簡単にトレーニングできることもわかっていました。これは、新しいイニシアチブを迅速に立ち上げて実行するための重要な要素です。「Trello ボードは、開いた瞬間にその仕組みがわかります」と Michael 氏は言います。「直感的に使いこなせます」

Michael 氏は Zapier を使用して販売パイプラインの各要素を自動化し、さらに時間を節約しました。顧客が SwagUp の Web サイトで注文を送信すると、Zapier によって Trello カードが自動化されて SwagUp にアラートが出されるようになりました。カードはデザイナーに割り当てられて、アカウント管理担当に渡されて、といった具合です。カードが Trello ボード全体を移動するにつれて、チームは顧客がプロセスのどこにいるのか、次に何をする必要があるのかを視覚化できました。

Michael 氏は Trello が自分のセールス プロセスをどの程度サポートしているかを知ると、他のチーム ワークフローをこのプラットフォームに移行しました。彼は調達やベンダーへの発注を管理するオペレーション ボードを構築しました。プロモーション商品のフルフィルメントは細部に重きを置きます。Trello はこれらの詳細を監視して管理するための一元的な場所としての役割を果たしました。「私たちはボードのすべてを追跡しました。アイテムが必要になる期限、色、それらすべてです」と Michael 氏は言います。

私たちは、注文チームがその仕事をするために必要なすべての情報があることを確認するために、カードにチェックリストを作成しました。

オペレーション ボードを経由して発注依頼がベンダーに通知され、フルフィルメント ワークフローがトリガーされました。ベンダーは、注文を受け入れたかどうか、注文がいつ発送されたかを Trello カードで示しました。SwagUp のフルフィルメント ワークフローがより強固なものとなるにつれて、Michael 氏は Power-Up の価値に気づき始めました。Power-Up は、Trello ボードにより多くの機能とその他の主要なビジネス ツールとの統合をさらに追加するものです。

6 か月間、SwagUp では Trello の無料バージョンを利用していましたが、Michael 氏は機能を強化したい、特にカードに配送情報を含めたいと強く感じ始めました。配送状況確認の Power-Up は発送の追跡番号を Trello カードに直接添付して、Trello で最新の進捗状況と配達日を表示します。「毎日何百件もの荷物を受け取り、また出荷します。カードを見ただけで、荷物が到着したかどうかを確認できて荷物の所在を理解できるのは便利です」と Michael 氏は言います。

SwagUp の成功までの道のり

Trello なしでは成し得られなかった結果でしょう。事業の存続すら厳しかったと思います。

2 年余りの間に、革新的なビジネス アイデアは革新的なビジネスへと形を変えました。Michael 氏はこの成長の背景には、Trello という不可欠な存在があったと言います。そして、動きの少ない業界における新たなカスタマー エクスペリエンスへの投資は、結果となって現れました。SwagUp は 800 の顧客を獲得して総受注数は 2,000 件に迫り、2019 年の年間総収益が 8 ～ 9 百万ドルと予想される企業に成長したのです。

「Trello なしでは成し得られなかった結果でしょう。事業の存続すら厳しかったと思います」と Michael 氏は言います。「当社のプロセスが統合されて全員が各自の役割を理解できるようになっただけでなく、プロセスに不可欠なステップを自動化できました。これによって、業務の速度を加速して、たった 10 人のチームで数百万ドルの収益を上げる企業に成長できました」