ユニセフ + Trello

ハリケーン イルマ災害時には、ユニセフの尽力によって 22,000 人を超える人々が 30 時間以内に命を救う情報を受け取った。

ユニセフのグローバル イノベーション センターは U-Report と呼ばれる若者のエンゲージメントとコミュニケーションのプラットフォームを利用して、ハリケーンによる災害がもたらされる前に何百ものコミュニティがその災害に備えて準備することを可能にしました。

バンコクからコペンハーゲン、パナマ、サンティアゴまで 24 時間体制で活動して、世界中に分散している 17 人のチーム メンバーのうち 3 人が、記録的な速さで U-Report を拡張して使用することで、影響を受けた 14 か国と連絡を取ることが可能になりました。災害に備えてコミュニティを安全に維持する方法について、支援を受けた人々の半数以上が、これがタイムリーに受け取った唯一の情報であると指摘しました。

ユニセフのイノベーション チームが緊急事態に迅速に対応することを可能にしたツールが、Trello だったのです。

1 つの国のさまざまな地域で複数のプロジェクトが稼働して、多くの人々がそれらのプロジェクトにかかわってサポートしているというのはよくあることですが、Trello の透明性と複数の視点があれば、このような場合に一貫したサポートを提供することができます。

ハリケーンの進路で生活する人々に伝えられている簡潔で鋭くシンプルなメッセージは、彼らとその家族の安全を守るために役立ちました。質問したところ、89% が情報は有益であると答えて 80% が少なくとも 1 人と情報を共有し、57% が 5 人以上とメッセージを共有していました。

すべての子どもに

創設から 70 年経過している組織と聞くと、官僚的で柔軟性のない組織を思い浮かべるかもしれませんがユニセフはそのような型にはまった組織ではありません。彼らは、1 世紀近くにわたって危機に瀕した子どもたちを救ってきた信頼と堅実さを保ち続けていますが、その DNA には革新も持ち合わせています。それぞれの開発と人道的努力の背後には、違いを個性として受け入れてその都度より良いサービスを提供し、その結果から学ぶ意欲があります。

清潔な飲料水をより迅速に提供するための手動ポンプや、深刻な栄養失調の子どもたちを正確に見極めるプロセス、あるいはプロセスを改善するために新興技術の限界を押し上げることなど、いずれを意味する場合でも、すべての子どもたちのためにより良い世界を築くという使命は、ユニセフのすべてのチームに共通しています。

限界を押し上げるという点では、ユニセフのグローバル イノベーション センター (GIC) を支えるチームは特に革新的です。子どもたちとその家族の生活をより効率的かつ的確に改善するために、国や多国籍レベルで拡張できるアイデアやテクノロジーを評価して実際に活用しています。また、テクノロジーによって実現される真に分散したチームの真意についても模索しています。

ユニセフの GIC チームを率いるイノベーション担当シニア アドバイザーの Tanya Accone は、11 か所にまたがる 16 人のフルタイムおよびパートタイムの同僚と協力して、24 時間サイクルのタイム ゾーン サポートと非同期コラボレーションを実現しています。特に、緊急時対応を支援するソリューションを適用する場合は、可能な限り巧みに作業を行う必要があります。

コミュニティの命を救う、命にかかわる情報を扱うのであれば、メールをやり取りして後でそのメールを探したり、仕事の合間を縫って中断しつつタスクを遂行する方法を考えたりするような、時間の無駄は禁物です。Trello は、シームレスかつ効率的な対話と実行をサポートします。

2016 年、極度の遠隔地で働くメンバーで構成されるこの小規模なチームは、ユニセフが支援している 193 か国のうち 89 か国と積極的に協力して、政府や組織と新しいイニシアチブを立ち上げ、壊滅的な災害への備えを支援するとともに、ユニセフと世界中のパートナーが支援している子どもたちの健康、保護、教育に関するイニシアチブを加速させる新しい仕事のやり方を導入しました。

リモート ワークを徹底的に推進する

当初、GIC チームはウガンダのカンパラで働く 7 人の小さなチームとして招集されました。彼らは、最も重要な情報をすべて 1 か所に集約する手段として Trello を使い始めました。ローカル コンピューター上の扱いにくいメール スレッドやドキュメントではチーム全体にもたらされないレベルの透明性を実現する、信頼できる唯一の情報源となるものは他にありませんでした。

危機的状況にあるときでも、社会的ニーズに対処するための通常の作業中でも、Trello は他の人を最も効果的にサポートできるように、チーム内の取り組みを体系化できるようにします。

各国からのサポートのニーズに駆り立てられて、チームはすぐに単一のロケーション モデルで効果的に提供できるものを上回る成果を上げられるようになりました。チームで作業する場所の制約がなくなり、メンバーはさまざまな国のオフィスをサポートするために世界中を自由に移動するようになりました。効率性と能率を高めるためにチームを世界中に分散させることを決めたとき、信頼できる唯一の情報源の価値はさらに高まりました。1 日 24 時間の非同期勤務によってリモート ワークを極限まで進めた結果、共同作業、整理と作業に関する単一の視点を地球上のあらゆる場所で共有するための一連のツールが必要であることが明らかになりました。

目標は、同じ場所で働くときと同じように、9 つのタイム ゾーンにまたがって効率的に機能して接続できる、新しい仮想ワークスペースを構築することでした。そこで、2016 年に、ユニセフの仕事にイノベーションをもたらすというミッションの一環として、さまざまなチーム コラボレーション ツールを体系的に調査し、理想的な「極限のリモート ワーク」技術スタックを探し始めました。

Trello を選ぶ (もう一度)

12 か月の間、Tanya のチームではプロジェクト管理、ビデオ、チャット、メールの分野にわたって、17 種類のコラボレーション アプリを評価してテストしました。実験の一環として、4 つの異なるプロジェクト コラボレーション ツールでワークフローを実行しました。

最終的には、バーチャル オフィスを運営するための 5 つのツールのスイートに決着しました。Trello を以前使用していたにもかかわらず、いくつかの重要な理由から、Trello は再びチーム コラボレーションのトップ チョイスとして浮上しました。

• シンプルなボード リスト カード構造は、プロジェクト マネジメントのトレーニングを受けていないチーム メンバーでも簡単に受け入れられました。
• その柔軟性と透明性のおかげで、誰もが必要な情報にアクセスできます。
• 新しいワークフローを必要に応じて考案できて、ボードは単なるタスクの追跡以外の用途にも活用できます。
• ラベルやフィルタリングなどの機能を組み合わせることで得られる見通しの良さがあるため、国別でもグローバルにでも、努力や解決策などのさまざまな (そして価値のある) 組み合わせで情報を視覚化できます。

日々変化するチームやニーズを決まった構造に収めるのではなく、組織の考え方や行動に合わせて Trello を造り変えられます。

Trello はグローバルな視点の提供にどのように役立つか

ユニセフの GIC チームにとって、Trello は団体内で最も重要な調整ツールであり、彼らが行う作業のコラボレーション基盤です。

必要に応じて複数の国といつでも連携して、すべての連絡先や重要な文書など、あらゆる場所の追跡を専用の Trello ボードで維持できます。

多くの場合、同じ国内で複数のイニシアチブを一度に先導して、その後、ボード名を国とソリューション別に整理して規模拡大を支援します。カリブ海のハリケーン危機のときには、彼らは他の地域情報を視野に入れながら「緊急イルマ対応」のための理事会に焦点を合わせました。

また、その 14 か国との間で、何か関連することを実施するために行っていた他のすべての会話や、各国の主要な連絡先や中心人物が誰であるかも、頭の片隅に置いていました。

同時に、世界の他の地域では、若者の起業家精神を育んで社会的イノベーションを構築するための、インキュベーター プログラム「UPSHIFT」などのイニシアチブに取り組んでいます。このプログラムは、8 つの異なる国と地域で、障害を持つ人々や避難民を含む最も疎外されている若者を、地域社会における起業家やソリューション ビルダーとして成長させることを支援します。これら 8 つのプロジェクトと UPSHIFT を導入したい 20 か国 (同様のコンポーネントはあっても、エコシステムと開発段階は常に異なる) を管理するための中核的な作業は、Trello で行われます。

しかし、Trello はジャーニーの一部にすぎません。

Trello が提供する俯瞰的な視点からのアウトプットは、UPSHIFT のようなプログラムが提供する体験に命を吹き込みます。ベトナムの視覚障害のある大学生 Tuấn Nguyễn のプログラムはその一例であり、現在、オンライン求人掲示板で彼自身のような専門家のコミュニティ全体をサポートしています。

また、コソボのティーンエージャー、16 歳の Rina Shabani は、現在、同世代のジェンダー不平等教育に対する批判をリードする立場にあります。Rina と同じような立場のコソボのソーシャル イノベーターが力を合わせて、20 万人を超える人々を支援するソリューションを立ち上げました。

また、GIC は、インドネシア ユニセフとインドネシア政府が生命を脅かす麻疹や風疹ウイルスに対するワクチン接種を 7,000 万人の子どもたちに推進する、史上最大の予防接種キャンペーンの運営を支援しています。

もう一度強調したいことは、テクノロジーはこのような大規模な変化を起こすための基盤であるということです。オープン ソースのコミュニケーション ツールである RapidPro は、従来の紙ベースの追跡システムでは不可能だった実用的なインサイトをリアルタイムで提供します。このインサイトは人々の携帯電話に (この場合は SMS で) 届きます。インドネシア、そしてザンビアにおける展開から得られた教訓は、予防接種の目標をサポートするための RapidPro の適用に関心のある国々にも有効です。

15 か国でデジタル ヘルスをサポートする RapidPro プロセスをたった 2 人で構築している Trello のコラボレーション基盤は、その作業の透明性を維持することで、必要な詳細について自動配信できるように支援しています。チーム メンバーが立ち止まって常に最新情報を提供する必要はありません。また、ユニセフ全体でこの活動を推進する、健康に関するエキスパートのネットワークの一部を形成して強化できます。

子どもたちの暮らしを良くする: 今から未来へ

ユニセフのグローバル イノベーション センターの中核となるミッションは、ユニセフが活動する世界約 190 か国の何百万人もの子どもたちとその家族を支援するために、何千人もの人々を 1 か所で支援するアイデアを取り入れることです。

実際には、Tanya のチームはオープン ソースの原則とデジタル イノベーションにコミットしていることを意味します。つまり、ユニセフのプロジェクトは、単に組織だけではなく他者が共有して利用できるように構築されています。Trello は、この生産的で進化するコラボレーションの精神を共有しています。だからこそ、Trello はこの仕事を実現するための理想的な手段となっているのです。

私たちは、簡単にセットアップ、使用、適応、複製できるようにすべてを構築しています。なぜなら、これらのツールが誰のためのものであるか、つまり最も手の届きにくい場所にいる子どもたちとその家族のことを常に念頭に置いているからです。

Tanya が指摘するように、最高レベルの人道的チームワークから Trello のようなツールに至るまで、私たちは皆、他の人々を助けるための努力の影響を受ける、より大きな共有エコシステムの一員です。そして、これらの取り組みは、奉仕する地域社会のニーズに合わせて進化し成長するときに最も影響力を持ちます。

私たちは触媒ではなく酵素を目指しています。触媒は化学反応を速めます。酵素は触媒よりも速く変化率を高めて作用するものを新しいものに変化させ、結果として酵素自体が変化して進化します。

つまり、プロジェクトの GIC ポートフォリオは、プロジェクトの追跡に使用する Trello ボードのように、1 年後には非常に異なって見えることになります。そして、それはとても望ましいことです。

振り返ってみると、私たちは、子どもたちのために、大きな成果を上げることに貢献できたと思います。私たちは「革新的」なものを取り入れて、ボード全体における仕事のやり方に全面的に反映させていきたいと考えています。結論として、世界に有益な変化をもたらす次善の方法を取り入れて発展していきたいと考えています。